今日は12月に入って早や3日となり一昨日の1日には、四条大橋のたもとの南座の正面にまねきが上がりました。西側の坂田藤十郎さんの場所には替わって片岡仁左衛門さんのまねきが。今年は例年の昼夜二部制から三部制に変わり、各部2時間に短縮されています。期間もこの5日から19日の2週間で、途中11日は休演日となっています。この2週間の内に寄せて貰わんとと思っています。
35、6年ほど前のことになるでしょうか、小学生だった次男が顔見世に出る事になりました。顔見世と言っても素人顔見世のほうです。顔見世の本興行が11月末日を初日として25日が千穐楽。その明けの日に素人ばかりの顔見世が1日だけあったのです。演目は「助六」で次男の役は花魁につくかむろ役だったのです。子役でしかも女形です。南座の楽屋口から入ってかなり上の方の階に畳敷きの大広間があり、そこで本興行の合い間をぬって「素人顔見世」の稽古があるのです。出演者は歌舞伎については素人でもそれぞれの業界では有名な方ばかりです。花魁の揚巻は推理小説作家の故山村美紗さんでした。そして演技指導をしてくださったのが松嶋屋の皆様でした。1日だけの「素人顔見世」も大人気で客席は満席で、台詞のとちりもご愛嬌なのですが、ご本人たちが真面目なのが余計に盛り上がります。今から思えば、よくあんな贅沢なことが出来たなあと驚きます。次男の稽古に付き添っての12月の南座大広間の時間が夢のように感じられます。あの時指導して下さった孝夫さんも、今では人間国宝片岡仁左衛門さんとなられて感慨無量です。