秋は夕暮と書かれた時代から1,000年の時が移ろい、この慌ただしい平成の頃は烏や雁を見上げる機会も少なくなったと思います。特にこの四条河原町界隈では。
「早ょう日が暮れるし気ぜわしいなあ」と、いとおかしどころかほぼマイナス発言。
今夜は十五夜というTVニュースが言っているのを聞いて、慌てて家の外に出て満月を眺めました。残念ながら家の二階の窓からも角度が悪く見えません。そして一年前のことを急に思い出したのです。
以前は隔月に、現在は3月、6月、9月と年に数回、私もメンバーの一人である団体では奉仕活動として、或る施設に慰問に伺います。先輩諸姉から脈々とほぼ51年続いています。季節の和菓子を添えて薄茶を点てて、時には歌をうたってご一緒に過ごします。
慰問の日は集合場所として或る尼門跡寺院のお世話になっています。昨年の9月の奉仕の日は十五夜の前日にあたっており、ご住職はお供えする月見団子を作っておられました。そして「満月は茄子に柳箸で開けた穴からながめるのですよ。明日お試しなさいまし。」と教えて下さいました。その場に居合わせた我々は月と茄子の取り合わせの不思議に全員キョトン。
代々門跡寺院を継がれたのは皇女様でした。肉親から離れ、寂しいお気持ちのまだ幼い宮様の為のかるたや御人形、御地赤と呼ばれる美しい深い赤のお着物などもそう言えば拝見する機会もありました。十五夜の愉しみも多分そんな環境からであったと思われます。翌晩、全員がそれぞれの家で試しました。私も孫達と一緒に満月を眺めました。「まさか、こんな柳箸の小さな穴から月がすっぽり見えるて思わへんなあ。」とわいわい言いながら。下の写真はお仲間とご一緒に河井寛次郎美術館を見学し、お孫さんの鷺さんからお話を聞き、その後お昼をいただきに真葛ヶ原の先輩のお店に伺った時のものです。お月見のしつらえが素敵でした。

 

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